当院の特徴のご案内

クロザピン(クロザリル)による治療

クロザピン(クロザリル)とは

当院では、治療抵抗性統合失調症への治療として有効性が証明されているクロザピン(商品名:クロザリル)による治療を行っています。クロザピンは治療抵抗性統合失調症患者の50%以上に効果が認められています。長期にわたる入院を余儀なくされている方の退院が実現する事もあり、長年つらい症状に苦しんできた患者さんやご家族にとっては切り札とも言える治療薬です。

クロザピンは世界各国で使用されており、日本でも2021年3月末時点で11,000人以上の方が使用しています。
しかし、クロザピンはどの医療機関でも使用できるわけではありません。

  • クロザリル患者モニタリングサービス(CPMS)登録されている医療機関
  • クロザリルについて十分な知識を習得し、CPMSに登録が認められた医師が居ること
  • クロザリル管理薬剤師が規定の人数(各2名)以上勤務していること

など様々な条件があります。

当院では厳しい基準をクリアしてクロザピン治療を行っております。

クロザピン治療を検討される方

下記症状でお悩みの方は、クロザピン治療の対象となる可能性がございます。

ほかの薬で治療していても、 再発・再入院を繰り返していたり、 今の薬での治療継続が難しい方
ほかの薬で治療していても、 幻覚に悩まされるなどの症状(陽性症状)や、 引きこもって何もできないなどの症状(陰性症状)が 改善しない方。
ほかの薬で治療していても、 多量の水を飲む、自分を傷つけてしまう、 暴力をふるうなどの行動が問題となっている方。
ほかの薬で治療していて、 足がムズムズする、じっと座っていられない、 手足がつっぱるなどの副作用のため、 必要な量の薬を服薬できない方。

上記はあくまでも例になります。
患者様の症状に合わせて主治医が判断を行います。

クロザピン治療の注意点

クロザピン治療は難治性統合失調症への治療効果が認められていますが、一方、様々な副作用も懸念されています。代表的な副作用は以下の通りです。

けいれん
高血糖
心筋炎
白血球減少(顆粒球減少症)

などがあり、特に注意しなければいけないのは顆粒球減少症です。
顆粒球というのは、血液中にある細胞のひとつで、身体を細菌の攻撃から守る働きをしています。顆粒球が減少してしまうと感染症にかかりやすくなってしまうので、治療している間は定期的に血液検査を行います。
当院では、万が一に備えて、平塚共済病院の血液内科とも連携しています。

クロザピン治療を受けるには

クロザピンの治療には、入院加療が必要となります。
入院中に、医師、看護師、精神保健福祉士、臨床検査異議、薬剤師などによる多職種が連携して治療を行います。

入院が終わり、外来治療に移行した場合でも、定期的な血液検査が必要になります。


「クロザピン治療について興味がある」や「詳しい説明を受けたい」とお考えの方はご相談だけでも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。

問い合わせ先:富士見台病院  医療相談室(0463-58-0186

LAI(持効性注射薬剤)による治療

LAI(持効性注射薬剤)とは

LAIは持続性注射剤と呼ばれる統合失調症の治療薬です。
抗精神病薬には、経口剤、注射剤があります。LAI(持続性注射剤)は筋肉注射した後、体の中に薬がとどまり長く効果(2〜4週間)を発揮します。
いままでの経口剤と違い、月に1~2回打つだけでよいので、薬の飲み忘れの心配がなく、再発や症状の悪化の心配も軽減されます。

LAI(持効性注射薬剤)のメリット

・薬の飲み忘れが無くなる
・飲み忘れが無くなることにより、症状が安定する
・毎日の規則的な服薬が不要になる
・職場や学校などで他人に服薬しているところを見られない
・飲み薬の量が減る

LAI(持効性注射薬剤)のデメリット

・月1~2回の通院が必要になる
・注射の痛みがある
・薬剤自体が

全ての統合失調症の方が対象になるわけではございません。
ご不明な点や気になる点等ございましたら、お気軽に当院までお問い合わせください。

問い合わせ先:富士見台病院  医療相談室(0463-58-0186